世の中ぼーっと生きてたい

ぼーっと生きてる坊さんの話。

家族みんなで仏器磨き。

年に1度、「おみがき」というイベントがあります。

たいていどこのお寺さんでもやっているのではないでしょうか。

 

仏器と呼ばれる、お勤めや法要のときにつかう金属製の器やろうそく立て、華瓶(金属の花瓶)などをぴかぴかに磨きます。

 

以前は近所のおばさんたちにお手伝いしてもらっていましたが、コロナ禍もあり今回は家族だけで行いました。

結婚して家を出た姉も帰ってきて、家族全員でのお磨き。家族みんなでなんて記憶にないくらい久しぶりでした。

 

特に話すこともなく、黙々とソフト研磨剤で汚れを落とし、新聞紙で仕上げの磨き。

これが意外と疲れる上、量も多いので大変です。

けれども、どんどん光沢を取り戻していく仏器を見ると、気持ちも晴れやかになります。

 

雨が続いたここ数日、今日は久々にいい天気。

縁側では猫が日向ぼっこ。猫の手なんて貸しやしない。

 

じいちゃんはおみがきが好きで、いつもぴかぴかに磨いてたそう。

いっぽうばあちゃんは割といい加減で、さっと磨いてすぐ終わりにしちゃうんだとか。

 

もう何年も前に死んじゃったけど、初めて聞いたエピソード。じいちゃんとばあちゃんらしくておかしかった。

親がこどもの時から、そして祖父母がこどものときから、そのまえからもずっと磨いてたんだな。

じぶんにこどもができたら、一緒に磨くのかな。

 

こどものころは面倒でいやだったおみがき。今日はなんだかいいものに思えました。